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■音楽レビュー No.058

「ORDER-MADE 15 NUMBERS SELLECTION」/ZIGGY


 過去の名曲のリバイバルが昨今ブームのようである。きちんとテーマを決めたレコード屋では、早速店頭に並べる用のCD棚に、復刻を強調するシリーズもののCDをたくさん置いているところもある。そんな中、かつて多数のヒット曲を巷に送り出し、一躍日本の商業ロック界の頂点にまで昇りつめたZIGGY再再結成のウワサを聞いた。CDの復刻ではない、バンド自体の復活である。

・2002年4月、「ZIGGY」として活動再開始!
http://www.ziggy-gokuraku.com/

 ご存知のように、彼らのバンド活動の中で一般的にその名を知らしめたのは、あの名曲「GLORIA」である。「GLORIA」は、柴門ふみ原作の青春トレンディードラマ、「同級生」(1989.7.3〜9.25<CX系列>、安田成美、緒形直人、菊池桃子、山口智子、勝俣州和、中井美穂、宅麻伸、石田純一他)の主題歌に起用され空前の大ヒットをかました。また前にも他のレビューで書いたが、翌年には「キモチいい恋したい!」でピンク・サファイアの曲が大ヒットした、そんな根っからハイカラな?時代だった。

 ちなみに僕は高校1年のときの1stライブにおいては、音楽部で管楽器を担当していた友人がなぜかベースを弾いていたのですが、彼が無類のZIGGYファンでどうしてもZIGGYの曲を演ろうというので、先の「GLORIA」と「DON'T STOP BELIEVING」と「La Vie en rose」を演奏したものだった。残念ながら「I'M GETTIN' BLUE」は僕ら全体のコピーの完成度が低く断念。「眠らない25時の街で」はその友人からの推薦が遅かったのでコピーが間に合わず断念。この2曲も演りたかったぜ〜。
 「La Vie en Rose」などでは本番中、アンプの上に置いた飲み干した後のウーロン茶の空き缶をフレット(指板)にこすりつけてカントリー調の音を出したりして弾いたりした。
 ところで、昔「DON'T STOP BELIEVING」とともに、ヘタクソながらカラオケで熱唱した「眠らない25時の街で」が収録されていないのが結構悲しかったりします(笑)。その後97年に発売されたA面シングルコレクション「WHAT'S BEST!? SINGLE1987〜1997」にも入ってない。今回レビューするベストアルバムはファン投票によるものだったはずですが、どういう経緯で入ってないのか、知っている人がいたら教えて下さい。

 このZIGGY、僕はそれほど聴いてはこなかったが、ボーカルの森重樹一は結構好きでした。日本のロック系バンドのボーカルとしては、僕の中での個人的なランキングにおいて、いつも3位をかのダイヤモンド・ユカイこと、田所豊と競っていたものであった。ちなみに僕の「勝手に超個人的ランキング【日本のロックバンドの男性ボーカル部門】」は以下の通りである(中学・高校時代から趣味が全然変わってない爆)。

1、氷室京介<BOOWY>( http://www.himuro.com/

2、MORRIE(大塚基之)<DEAD END>( http://www.geocities.co.jp/Hollywood/3400/

3、ダイヤモンド・ユカイ(田所豊)<レッド・ウォーリアーズ>( http://www.diamond-yukai.com/

 閑話休題。なぜ今になって再活動を開始したのか?そんなことは僕らが考えて分かることじゃない。またロックがやりたくなったからだろうと思うし、別にレコード会社が時流に乗ってきたと判断したからだなんて夢を壊すようなことは考えたくない。

 ただ、ZIGGYの名前の由来を考えたとき、以前何かのレビューでも書いたが、デヴィッド・ボウイの代表曲、「ZIGGY STARDUST」(BOOWYもデヴィッド・ボウイの名前自体が由来の一部になっている)であるが、今年6月は実はデヴィッド・ボウイが作り上げた架空の近未来型ロックスター、「ジギー・スターダスト」が出現してから30周年にあたる。このジギー・スターダストという架空のキャラクターのさりげない登場のさせ方で、デヴィッド・ボウイが実はバイセクシャルだったことが発覚するが、73年のステージ上で、自虐的なこのストーリーの終焉を迎えるかのように、ジギーを抹殺する宣言をして突如姿を消した。
 前の職場にいた頃、女性の派遣の先輩に誘われ、銀座の映画館に「VELVET GOLDMINE」を見に行ったものだが、役中で、デヴィッド・ボウイを思わせるブライアン・スレイドに畏敬の念さえ抱いたほどだ。どのくらい畏敬したかと言うと、僕は仕事帰りでスーツ姿だったが、街中のゴミ収集所を見かけた際、そのままそこに身を投げ入れたい錯覚に陥ったぐらいっす……(謎爆)。

・2002年6月、ジギー・スターダスト生誕30周年記念
http://www.geocities.co.jp/Broadway/1001/collec1/ziggy2002.html

・ヴェルヴェット・ゴールドマイン - 映画「VELVET GOLDMINE」の個人評。
http://isweb22.infoseek.co.jp/cinema/spooky01/velvetgoldmine.htm

 それ以前の、一般の人々がアポロ月面着陸のニュースに浮かれている中、地球管制塔からの返事を「僕ニデキルコトハ何モナイ」と無視し、地球生還ではなく宇宙への漂流を選ぶトム少佐を歌った「SPACE ODDITY(69年)」では、テクノロジー礼賛主義をシニカルに笑い飛ばすかのようでもだったし、それ以降の「DIAMOND DOGS(74年)」では半人半獣のキャラクターを登場させた、退廃した近未来世界を歌った。彼を崇拝する氷室京介もまた、1stソロアルバムでそんな退廃したボウイの「Sex&Clash&Rock'n'roll」な世界を歌いたかったのではないかと察する。83年には「戦場のメリークリスマス」において捕虜軍人セリアズを演じている。
 また、この「戦場のメリークリスマス」を監督した大島渚は、「阿部定事件」を描いた「愛のコリーダ(76年)」( http://www.aino-corrida.com/ )を撮っているが、当時は音楽だけでなく、文学界においてもエロティスム賛同の声が高まりつつある時代であった。
 かつて1962年に、我が愛する澁澤龍彦が訳した「悪徳の栄」で自身、筆禍を招きサド裁判にまでふくれたことがあった(澁澤31歳)。特別弁護人として埴谷雄高、遠藤周作、白井健三郎、弁護側証人として大岡昇平、吉本隆明、大江健三郎、奥野健夫、栗田勇、森本和夫などが弁護にあたったが敗訴(69年、最高裁有罪判決)。この頃の日本はまだ、規則だけにうるさい一主婦団体の一投稿にさえ揺らいでしまう文学的価値しか有していなかった。
 遠藤周作などとともに日本にサド文学を積極的に紹介した澁澤が尊敬する三島由紀夫はこの裁判の始まる前、「悪徳の栄」が発禁処分を受けたことに対し、「週間読書人(60年4月18日号)」の中で同じサド文学紹介者の仲間としてこう反駁した――。
「私は渋沢氏のために怒っているので、サドのために怒っているのではない」。
 このように当時の日本でも若者を中心に、真の自由を欲する動きが今の若者以上に強くあったに違いない。そんな中での自由人デヴィッド・ボウイの登場である。どれだけ世界が熱狂的だったかは皆のご想像に任せたい。

 話がずれずれなんですが(爆)、ZIGGYの持つ、あのセクシーさはもちろん彼らもライブなどで「ZIGGY STARDUST」をカバーしていることを考えると、T-REXなどとともに、グラムロック( http://www.rock-avenue.com/glam.htm )という音楽自体を愛していたからに他ならないと思うのであります。
 
 さらに80年代に入ってからのグラムロックの雄と言えば、個人的にその一バンドとしてフィンランドのロックスター、ハノイ・ロックスを思い浮かべるのだが、というのも森重樹一の歌い方やルックスなどはどこからどう見てもマイケル・モンローそのものだし、そしてZIGGYの曲自体が何よりハノイ調である。「BACK TO MYSTERY CITY」はどことなく「I'M GETTIN' BLUE」に似てる感じなのである。また、ルックスだけなら44マグナム( http://www.44magnum2001.com/ )も似てる感じはするのですが……。先に、ZIGGY復活の謎を書きましたが、そんなハノイがなんと最近復活すると言うではありませんかっ!

・ハノイ・ロックスが再結成(2002.4.23付けニュース)
http://www.barks.co.jp/LJ/RReadANews?review_id=52276037

 もしかしたら、このこともZIGGY復活に関係している大きな戦略の中の一つなのかもしれないですね。ま、ハノイは「MALIBU BEACH NIGHTMARE(マリブビーチの誘惑)」や、「TRAGEDY」や「ROCK & ROLL」がかっこよ過ぎるので、それはそれで良いのです(謎謎)。
 ついでで調べていたら、ハノイ解散のきっかけとなったドラムのラズルが交通事故で死んだのって、怪我のマイケル・モンローを除くハノイのメンバーがモトリークルーのボーカル、ヴィンス・ニール邸のパーティーに招待されたときの、運命の1984年12月8日、飲酒運転をしていたヴィンス・ニールがスピードの出し過ぎで対向車と正面衝突したためのようですね。ヴィンス・ニールと言えば、モトリークルーを一時期クビになっていたヴィンス・ニールのソロ作、「エクスポーズド+2」の1曲目「LOOK IN HER EYES」を大学1年のときにコピーしたことがあった。この曲のギターを弾くスーパーギタリスト、スティーヴ・スティーヴンスがギターソロの際に、おもちゃの銃でピコピコした効果音を出しているのを真似て、僕は携帯電話のおもちゃをギターのピックアップにあてがって遊んだ。

 ということで、いろんなリバイバル・ブームが考えられる昨今のレコード業界にあって、このZIGGY復活は様々な側面において、過去の名盤を紹介するチャンスであるとともに、消費の冷え込んだレコード業界全体を再び沸かせる原動力となり得るのではないでしょうか(どの辺がだっ!爆)?でも、もしかしたら僕が中学3年のときに周囲で流行ったグラムロックブームが再び訪れるかもしれないと思うと、少しワクワクしてならない感じもします。この僕の周りのグラムロックブームは、中学1年から続いていたBOOWY解散直後のブームの流れを組んでいたものと思われるので、BOOWY全集の第2回配盤がなされた昨今、またもやブレイクするグラムロックブームにまぎれて、もしかしたらこのZIGGYが脚光を浴びたりするかもしれないと思う今日この頃……。
 とにかく過去の懐かしさにひたりたい人も、日本のロックンロール初心者も、このZIGGYのベストアルバムに浸ってみてください。日本の商業ロックも案外捨てたもんじゃないと再認識出来ることでしょう。


【関連サイト】

・SNAKE HIP SHAKES マネージャーの日記。ZIGGYのディスコグラフィー。
・SNAKE HIP SHAKES 紹介ページ 。
・music axess 各ヒット曲の試聴はコチラで。
・「ZIGGY THE MOVIE それゆけ!R&R BAND」 劇場用アニメ版の個人批評。
・柴門ふみ 小学館による柴門ふみの作品集ページ。
・「ZIGGY de チャクメロ♪」の名残り ファンによる個人サイト。初心者に分かりやすく説明されています。
・Hanoi Rocks Website ハノイロックスの公式サイト。
・Michael Monroe The Official Website
・HANOI GUYS HANOI ROCKS FAN SITE
・The Official David Bowie Web Site デヴィッド・ボウイの公式サイト。

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