レビュー目次 / 音楽 /  / 映画 / 展覧会 / レストラン
■音楽レビュー No.051

「ポール・モーリア大全集(4枚組)」/ポール・モーリア


 説明不要のムード音楽、イージーリスニング界の第一人者、ポール・モーリアのご紹介です。親日家でもあり、ときどき公演で日本を訪れていたこともあるし、いろんなところ(社屋とか)でもよく流れているので、「白い恋人たち」とごっちゃになってる人もいる「恋はみずいろ」とか、聴くとなぜだか脱ぎだしたくなる「オリーブの首飾り」、ビッグバンド的良さを初めて知る「エーゲ海の真珠」など、オリジナルではないものもありますが誰もが一度は耳にしていることと思います。「恋はみずいろ」に関しては、ときどきベック・グループの演奏と聞き比べたりしています。

 僕が物心ついて、生まれて初めて好きになった音楽かもしれない。僕にとっての郷愁感(ノスタルジー)というものを音楽で表現するとすれば、まさにポール・モーリアこそが、その具現化された唯一無二のものではないだろうか。

 小学校4年のとき、囲碁・将棋クラブに所属するかたわらで、放送委員会に入って活動するようになった。なぜ放送委員会を選んだかは詳しく覚えていないが、もしかしたら下校時に流れる音楽が自然と耳に入っていて、それを肯定する気持ちがどこかに強く根を下ろしたからなのかもしれない。
 放送室で片手でボリュームを上げ、もう片方の手で蛇腹のマイクを軽く押さえ、「下校の時間になりました――」とやるわけですが、日替わりで流していた下校時の曲は、ポール・モーリアの「シバの女王」と「薔薇色のメヌエット」と「蒼いノクターン」であった。
 夕映えが次第に校舎の壁を赤く染め上げてゆくとき、狭い放送室の部屋から窓越しに淋しげな様子の校庭を眺めやっていた。パチンコ屋などでの「蛍の光」ではないが、パブロフの犬よろしく、これらの曲を聴くと未だに下校時のイメージが瞼に浮かんできたりする。

 学校からカセットテープを持ち帰って家でダビングしたり、親に2枚組レコードを買ってもらったりするほど好きだった。近くの団地に野菜などを売りにくる軽トラックでも、ポール・モーリアの曲を流していた。基本的にその車が来るのが放課後、もう夕方になってからのことだったので、なんとなく有名な曲は皆、夕日のイメージがある。

 中学3年のときには、15時くらいからテレビ東京でやってそうな2時間ものの失恋ドラマみたいな内容の物語の脚本を趣味で書いたことがあったが、BGMに選んだのは、「涙のトッカータ」や「夜明けのカーニバル」、「哀しみのショパン」など、これもまた名曲だったりするのです。
 また高校1年のときに国語の授業でやったラジオドラマですが、原作や音楽を担当した僕は、ジェームス・ディーンの『理由なき反抗』をイメージの主体におき、使用曲はほとんどがロンドンパンクやグラムロック、タイトルもセックス・ピストルズの「アナーキー・イン・ザ・UK」の「UK」部に学校の略名を充てたもので発表し、台詞(脚本)は日常会話の一発録りという奇行を断行した。

 結果、何人かのグループで提出する課題だったが、僕のいたグループは学校で最下位の点数を記録。内容が内容だったために、僕らにとってはそれが逆に「成功」だった。学年最低点であったにも関わらず、学年末にはそこそこの評価がついていた。担当の先生が何を見ていたかは分からないが、自分なりに凝ったところはエンディングテーマでしょうか。さんざんパンクばかりを流してきたのに、エンディングのみポール・モーリアが演奏するバージョンの、映画『個人教授』の「愛のレッスン」というドラマチックなものを選んだのでした。エンディング突入前に挟んだマニュアルのカメラのシャッター音などの細かい演出に気づいてくれてたかどうかは分かりませんが、その辺を評価して下さったのではないかと今では勝手に思い込むようにしています(爆)。

 この大全集は4枚組なのですが、それぞれ「グレイテスト・ヒッツ」、「ワールド・ヒッツ」、「想い出のスクリーン・テーマ」、「ヨーロピアン・ムード」とカテゴリ分けされて収録されているため聴きやすい。
 例えば、「ある愛の詩」や「ロミオとジュリエット」、「男と女」、「禁じられた遊び」、「白い恋人たち」、「シェルブールの雨傘」、「サウンド・オブ・サイレンス」、「ドクトル・ジバゴ」、「フラッシュダンス」などは、後に映画を見た際に、再びCD版を聴きなおしたくなるような感じである。

 他にも「イエスタデイ」や「ヘイ・ジュード」、「イエスタデイ・ワンス・モア」、「レット・イット・ビー」、「ムーンライト・セレナーデ」、「コンドルは飛んで行く」、「明日に架ける橋」、「アイ・ライク・ショパン」、「ケアレス・ウィスパー」、「メモリー」、「マイウェイ」、「愛の讃歌」、「悲しき天使」、「悲しい悪魔」等、日本人の好みそうな聴きやすいアレンジのスタンダードがたくさん収録されていて全72曲の本アルバムは非常に聴き応えがある。

 どこか懐かしい、思わずハミングしたくなるようなメロディー。たまにはこういう曲も良くないですか?


【関連サイト】

・Paul Mauriat Official Fun Club ポール・モーリアのファンクラブのページの様です。
・「涙のトッカータ」着メロ 個人ページ。着メロ用「涙のトッカータ」。

一覧へ戻る >>


[Link] 着物リメイク 手作りおもちゃ 北海道陶芸作家協会 ダウンロード レビトラ webデザイン サンプル ミナモトヤ 仙台 ホームページ制作 リビエラ 草野球 大阪 吹田 seo対策 なかもず不動産 千葉 不動産 メール配信 家族葬 結婚情報 サービス 渋谷 アルバイト うつ病