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■音楽レビュー No.048

「プリズム・スーパー・コレクション」/PRISM


 日本のフュージョンシーンを語るには外せないバンド、"PRISM"――。高校時代、学校帰りにレコード屋に立ち寄っては、手当たり次第に買っていたうちの1枚です。とにかく「有名なバンドだから」って理由で買ったもので詳細は何も知りませんでした(笑)。

 実はこの「プリズム」というバンドこそが、1975年、日本で初めて結成されたフュージョンバンドであり、かのスーパーギタリスト、和田アキラの名前を音楽シーンに轟かせた記念碑的バンドだったのです。

 四人囃子で活動していた森園勝敏などと母体を結成した後の76年には、エリック・クラプトンの日本公演のオープニング・アクトとして抜擢され、全国ツアーに参加する。当時の日本にあって、海外から流れてくる大御所のフュージョン系ミュージシャンの音楽を知る一部のマニア以外の人でも、全く新しい音楽「フュージョン」の誕生は非常にセンセーショナルな出来事であったようで、最初のレコード会社、ポリドールとの契約を済ませ、デビューアルバム「PRISM」で大ヒットをかまして全国的にアルバムもチケットも即日完売状態を巻き起こした後、その記念ライブを行うにあたっては長蛇の列が作られたという……。

 このプリズムのベスト盤「プリズム・スーパー・コレクション」は、デビュー後ポリドールから、ワーナー、TDK、etc……と、数回のメンバー編成や音楽性の転向を加えながら成長を続けるプリズムの初期、ポリドール時代の4枚(「PRISM」、「SECOND THOUGHTS/SECOND MOVE」、「PRISM3」、「PRISM LIVE」)からのベストセレクションアルバムです。
 なかでも「PRISM LIVE」に関しては、初期のメンバーに加えて、村上”ポンタ”秀一氏や佐山雅弘氏なども出演しているので、そちら方面から出会う人も多いかもしれません。

 高校時代の僕はフュージョンと言っても、どちらかというと、やはりメロディアスな曲を嗜好していて、どちらかというとプログレチックな演奏はあまり好きではありませんでした。
 ところが、このプログレ寄り音楽の代表格のようなプリズムですが、このベスト盤に収録されている曲は、もちろんトリッキーなプレイや、マニアックな曲調のものもありますが、どれも非常にメロディアスでキャッチ―な曲ばかりなので、初心者の方でもすごく聴きやすいと思います。

 1stアルバムとは思えない完成度である「PRISM」からの曲では、「Morning Light」、「Prism」、「Love Me」がありますが、高校時代、好きな音楽をテープに編集するのが好きだった僕はクラスの男友達に120分テープ10本セットをプレゼントしたことがあり(異性へのプレゼントでは一番嫌われる贈り物――、と当時の「Hot Dog Press」にはあった)、プリズムからの曲は「Morning Light」を選んでおいた。それが他の曲を抜いてなかなか好評だったものでした。「Love Me」のドラマチックなソロ展開もいいし、超トリッキーな「Prism」に関しては、「いつかはコピーしようぜっ!」とバンド内で盛り上がったこともありました(笑)。

 2ndアルバムからは、「Daydream」、「Beneath The Sea」、「Spanish Soul」が収められていますが、強いて先の1stアルバムの曲にポジショニングを当てるとすれば、列挙した順で呼応していると思います。ほのぼのとした「Daydream」、超悶絶トリッキープレイ&メチャクチャかっこよ過ぎの「Beneath The Sea」、全体的な雰囲気や速弾き部、最後の方のギターの重ね具合がアル・ディメオラ風で、コテコテ・ラテン調の「Spanish Soul」、とどれもまた名曲だったりします。
 なかでも13分超の大作、「Beneath The Sea」に関しては、僕の大学時代に、再び違うメンバー同士で盛り上がり、「絶対演るぞ〜!」と燃えましたが、「無理なんで……」ということでやらず終いに終わった(爆)。しかしギターソロ、すごくかっこいい……(ため息)、今聴いても新鮮!

 3rdアルバムからは、これも後のスタイルを確立させたかのような、プログレ風13分弱の大作である「風神」、颯爽としたリズムに、ノリのよいギター&ドラムでスタートし、後半は弾きまくりのギターで駆け上がってゆく「Sunrise Cruise(ベスト盤では「Sunset Cruise」となっているが同一曲がどうか知らないので、同一曲ということで話をすすめます)」が収められています。

 なんで、誕生の歴史も知らない、この結構マニアックなバンドを、出会いから今の今まで好きでいられたかについては、もちろん楽曲としての良さというのもありますが、やはり和田アキラ氏の奏でるサウンドに打たれたことが原因であろうと思います。そのトリッキーなプレイスタイルから、和製ホールズワース(参考: http://www.win.ne.jp/~nadir-m/ )と呼ばれること
もあるようですが、フレーズはもとより、あの音色です!適度の歪みと、どこまでも伸びやかなディストーションサウンド――、是非皆様もこの機会に聴いてみることをお勧め致します。


【関連サイト】

・PRISMAGIC.com プリズム公式サイト。
・「In the Last Resort」 ニューアルバム告知ページ。詳細は次のページに。
・「PRISMANIA」 プリズムファンページ。
・「音盤考古学研究所」 川橋邦彦氏による貴重なプリズム関連データ。
・和田アキラ プリズムのスーパーギタリスト、和田アキラ氏のプロフィール。
・久米大作 プリズムのスーパーキーボーディスト、久米大作氏の公式サイト。

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