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比較的、出会ったばかりでまだ「フュージョン」が新鮮で、耳に心地よかった高校時代、JIMCO RECORDSから発売されるCDには、何か不思議な魅力を感じていたものだった。スティーブ・ヴァイやイングヴェイ・マルムスティーン等の速弾き系ギタリストを追いかけていると、自然にフランク・ギャンバレ、アラン・ホールズワース等のギタリストに出会うことになるようで、同じような感動体験をした者は今までにもゴマンといたことだろう。
このアルバムは、そんな当時、ギャンバレやホールズワースの曲を聴くうちに知った。「MARK VARNEY PROJECT」第2弾で、前回の彼らのセッションを前面に押し出した企画とは趣向を変え、今度はギャンバレが、謎のバカテク系ギタリスト、ショーン・レーンと、これまた凄まじいプレイが好評の、ロック畑代表ネルソンのギタリスト、ブレット・ガースドを招いて作られた、速弾き大好き人間MARK
VARNEYのプロジェクトである。
収録曲もギャンバレのベスト盤の内容とダブった曲が多いが、1曲目のハービー・ハンコックの日本ライブ「洪水」でおなじみの「ACTUAL
PROOF」に始まり、ジャズ界の巨人、マイルス・デイビスの自叙伝のタイトル名にもなった名盤「Kind of Blue」に収められたスタンダード中のスタンダード「SO
WHAT」へと続く。今まで何人ものミュージシャンがカバーしているが、今回のファンキーなバージョンほどインパクトの強いものはなかった。3曲目の「HEY
TEE BONE」は過去の偉大なブルースギタリスト、T・ボーン・ウォーカーへのオマージュ(讃歌)だし、5曲目の「SPLATCH」はチョッパー・ベースで有名なファンク界のヒーロー、マーカス・ミラーの曲だし、6曲目の「ELEGANT
PEOPLE」はサックス・プレイヤー、ウェイン・ショーターの曲で、彼が在籍したフュージョン界では基本中の基本とも言えるウェザー・リポートの代表アルバム「ブラック・マーケット」に収録されていた。
脳天を突き破るかとも思えるほどの超光速のギタープレイが何分も続く曲ばかりで構成されたアルバムだが、なかでも「CENTRIFUGAL
FUNK(遠心性ファンク)」というアルバムの意向を示すかのように、8曲目の「LOVESTRUCK」のギターバトルでは、途中からオーヴァーダブ(overdub=既に録音されたものに別の音を重ねて録音する)ではあろうが、左チャンネルからギャンバレ、センターからショーン・レーン、右チャンネルからブレット・ガースドによる惜しみない超絶テクニック・フレーズの嵐が、脳の中をぐるぐる回り出すかのようである。
今聴いても、一体この部分はどうやって弾いているのだろう?という疑問だけが出てきて、運指の様も想像すら出来ない。ときにメカニカルであり、ときにファンキーな各人の生み出すフレーズが、洪水のように次から次へと押し寄せてくる。良いも悪いも分からないくらい凄まじいプレイの応酬が8分以上続く。もちろんすごいのはギタープレイ(リード)ばかりではない。カッティング・ギターもファンキーなリズム部隊も最高である。
僕がこのアルバムを推薦するのは、ただすごいとか、おもしろいというだけの理由からではもちろんない。あくまでも楽曲としての完成度を踏まえてお勧めしたいと思っているのである。正直言うとあまりに複雑・難解なプレイなので、もはや楽曲云々と言ってはいられないのだが(爆)、いくらインストゥメンタル・ナンバーばかりだからと言って、単なるBGMとして聴くのはあまりにもったいないとだけは言っておきたい。ただギターサウンドが嫌いな人にとってはあまり好きになることはないだろうとは思う。とにかくすさまじい演奏を聴きたいと願うギター小僧には、心からオススメしたい感じです。
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