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■音楽レビュー No.038

「SEA IS A LADY」/角松 敏生


 デビュー20周年だそうですね。僕は実際それほど聴き入っていた時期がないので今回はそれほど詳しく書けそうもありません。
 甘い歌声が特徴の、歌手兼プロデューサーとして昔から一部の人たちの間(特に女性)から人気ありました。83年、杏里の「悲しみがとまらない」や 88年の中山美穂の「You're My Only Shinin' Star」で彼の名前を一躍有名なものにしました。このアルバムはそんな、「ボーカリスト角松敏生」のスケールの大きさを示した一枚でもある。アルバム全体が彼のギタープレイをフィーチャーした全曲インストゥルメンタルのナンバーで統一された作品なのである。

 アルバムのコンセプトは、ジャケットを見れば一目瞭然の「海」!なのですが、単なる海ではありません。各タイトルには「女性」の名と思しきローマ字が書かれています。ERI、RIE、MIDORI、NAOMI、ATOKO、KAORI ASO、AKIKO、CHAKO、REIKO、SAWAKO・・・。コアなファンであれば、この名前のうち、どれがリアルでどれがヴァーチャルなのかすぐに見分けられるのだろう。しかし哀しいかな……、僕の淋しい人生の中では既に、この数だけの女性の名を挙げられないのが現実だ。

 おっと、そんな話ではなかった(爆)。彼の言うアルバムコンセプトはこうだ!<夏=女=海>この図式で証明される「夏」、彼の言葉を借りれば「非常に限定された特異かつポピュラーな時空間」という、とてつもなく哲学なアルバムなのである(ホントか?)。
 添付された彼の詳細説明を読んだ僕の感想はかくのごときである(つられ哲学調爆)。おそらく「限定の時空間」というのは、ある刹那の時間に閉じ込められた凝縮された過去の思い出をフォーカスする時、被写体(ファインダーが捉えた=ふっとわいたその場限りの想い)が映えた、トポス(場所=みんなの共通意識が集まる広場)が「海」であったという、非常にポピュラーでありながら、よくよく考えれば非日常的な空間であるという「夏」そのものの感動を、本来欲求から生じる音楽制作活動全般を、女性へ対する一目惚れや畏怖や憧憬の念、身体的衝動として捉えつつ同期を図らしむる事象そのものとしての ――、
何某云々……、ふにゃ♪講義かいな…… (+.+)(-.-)(_ _) ..zzZZ

 寝てど〜する!! (;ーー)ノ☆(ノ_ _)ノズルッ
要するによくある話です、僕には!そりゃ海に行けば可愛いコがゴマンといやがります(謎爆)。声をかければこんなボクチンでも、少しは暇つぶしにお話戴けることだってあります。青木透氏の『恋愛幻想論』や中村雄二郎氏の『共通感覚論』なんかを思春期に読んで滅入ったヤツならきっとこの気持ちは分かる筈……。男女間の恋愛なんてものは、しょせんはお互いの幻想の中の共通感覚の一時的フィットに過ぎない。恋愛そのものが幻想なのだ〜(悲観的な独り者の嘆き爆)。だからその場限りの条件下で、特異な舞台である夏のビーチに居合わせた男女なんて、ナンパそのものを目的として来ていない限り、一時の楽しい時間(お茶したり系)をするのは、別にルックスなんて必要とされてないんじゃ〜(←誰?)。

 ……と前置きが長くなりましたが、僕がこのアルバムに出会ったのは大学1年の6月。大学の新歓活動が終わって、結局良さそうな音楽サークルが見つからないまま、親友Kのいた別校舎の学園祭に遊びに行ったものだった。Kのいた軽音楽サークルは、予想外に見た目がコアな人が少なく音楽性も幅広かった。Kのはからいもあって、僕は6月より途中入部することに。男でも途中入部が許されるなんて!なんて寛大なサークルなんだ!僕はすぐに打ち解けた。早速近く控えている夏合宿のメンツを決めるため、オフィシャルの飲み会に参加した。

 正式バンドに誘ってくれたメンツは夏合宿には来れないそうで、気を遣ってくれた2級上の女の先輩が偶然にもAOR好きで、当時発売されたばかりのジェイ・グレイドンの1stソロアルバムを持っていて、ちょうど僕も買ったところだったこともあり話がはずんだ。そのときに彼女の好きだった角松敏生のアルバムから、この「SEA IS A LADY」が引き合いに出され、夏合宿で収録曲の「SEA LINE」を演奏する運びとなった。大学に行ったらフュージョンを演りたいと思ってはいたが、のっけからそうくるとは思わなんだ!みんなにお初で披露する第1曲目がフュージョンかよ〜。まだギターが高崎晃モデルの「キラー」(変形ギター)のままだし、ストラップは鋲が埋め込まれてるしよぉ〜(笑)。

 なんだかんだで夏合宿(山中湖のスタジオ付き宿舎)突入。発表日の夜。前夜入ったスタジオで、自分なりの入念なサウンドチェックは済んだ。今回も例に漏れずジャズコーラス120だ。リバーブは抑え目でいいな。仮設のステージ(宴会場)でセカンドバッグから愛機のハーフラックを緊張しながら取り出しセッティングする。同期の友人たちがセットアップを手伝ってくれる。いよいよ本番だ。ツインギターで、出だしのカッティングなんかは先輩が弾いてくれる。僕はリードに専念してていいよとのことだった。こんな単純な曲なのになかなかリズムが取れなかったな。大丈夫かな?そんな自信のない出だしだったが、途中キーボードの女性2人による厚いホーンサウンドがエールを送ってくれているようで頑張れた。こんなヘヴィメタ用の変形ギターでも、結構いい音出るもんだな。少しリバーブとディレイがきつかったかな?でも割と原曲に忠実に表現したつもりなんだけどな。そんな思いで夢中で弾いた――。

 終わった。僕のサークルデビューだ。みんな拍手してくれてる。お約束なのかもしれないけど嬉しいものだった。歓迎されてるかな……?全バンドの演奏終了後、感想を書いた紙が交換され合う。ドキドキしながら見たが意外といいこと書いてくれてる。4年生さえマジメにコメントしてくれてる。いろいろアドバイスももらった。「こういう曲はもっとストラップを短めに……」そういや、前にツェッペリンのグッドタイムス&バッドタイムスを演ったまま、ジミー・ペイジ仕様にしていたままだった(爆)!嬉しいアドバイスだ!席に戻ってからも、「どんな音楽聴くの」「ギターどれくらい?」「メロコア嫌い?」「ヴィジュアル系バンドで今度ライブ出ない?」学年問わず話かけてきてくれた。なんていいサークルなんだ!

 ――その秋、自分のいた校舎での学園祭。正式バンドにて演奏。持っていった "TOTO"2曲を演ってもらった。
 結論。このアルバムには、そんな一時の凝縮された思い出がつまっており、ただの楽曲として終わることはない。それは同じような思いで曲を書いた、制作者である角松敏生の意図した迷宮のごとき蟻地獄的な禁断の罠だったのかもしれない……。


【関連サイト】

・角松敏生 角松敏生BMGファンハウス公式ページ。
・Welcome to BIC ! 角松敏生公式ファンクラブ。曲が流れます。
・MYKADOMATSU 角松敏生のインターネット・ラジオ局。
・Kadomatsu Web Site 角松敏生ファンサイト。
・「SEA IS A LADY」 角松敏生「SEA IS A LADY」の曲目(BMGファンハウス)。

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