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70年代ダンスシーンを支えたひとつの支流。それがフィラデルフィアで起こった、美しいストリングスのフレーズに乗った甘いメロディーが特徴の新しいソウル・ミュージック「フィリーソウル」です。コアなソウルファンからはあまり好まれないようですが、こういった紋切型ソウルも有りだと思います。
僕がタイムリーに聴くのはもちろんモノ真似系のテレビ番組の中や、誰かのカバー、そしてときどき行ったクラブで流れていた程度のものを聴いていただけなので、実を言ってそれほど思い入れのある曲(グループ)ではないです。もちろんポップス、ソウルミュージックとしてスタンダードな曲なので、とりあえず聴いてみて、そしたらさすがはスタンダード、いい曲じゃない……ってな具合で聴いてた感じでした。
このアルバムはベスト盤なので、代表曲である「CAN'T GIVE YOU ANYTHING (BUT MY LOVE)(愛がすべて)」や「LOVE
IS THE ANSWER」「YOU ARE EVERYTHING」「ONLY YOU(AND YOU ALONE)」などもきちんと収録されていて、初めて聴く人にはオススメだと思います。
「ソウル界のバカラック」と異名をとる Thom Bell と、リード・ヴォーカルを務める Russell Thomkines
Jr.の独特なファルセット・ヴォイス(裏声)が出会い、ダンスシーンに最初にソウル旋風が吹き荒れた70年代に爆発的にヒットしたグループです。
その僕の単なるスタンダードとしての認識が覆され、ダンスミュージックとして、なぜここまで支持が強い曲と言われたのかを身をもって知ったのが、あの麻布十番マハラジャのファイナル週間の時に行ったときのことでした。
中盤以降、人々の異様な盛り上がりと、どことなく佇む哀愁の雰囲気の中で、とりわけミラーボールがキラキラと美しく輝き、7色のパステルの光の雨がダンスフロアにいる様々な年代の人たちの顔を伝う汗に反射し、そのプリズムで媒介された光が各人の思い出の映像を、臨時のスクリーンと化したフロア床に投射しているようでもありました――。
そんな時、ふっと曲間が空き、人々のざわめきの中、スタイリスティックスの「愛がすべて」の哀愁漂うトランペットのイントロがフロア全体に響き渡った。場内が一斉に沸いた瞬間だった。明るめのライティングに場内を漂う埃さえもが幾本もの白い筋となって照りだされ、それが何種類かの香水の香りに混じってドライアイスの煙の中に包まれるかのような錯覚に陥った。僕もそのとき、まさに「召されるぅぅ〜(謎)!」って感じの気分になり、その雰囲気に鳥肌立ちまくり状態でした(笑)。
この曲と同じような感動を与えてくれる「LOVE IS THE ANSWER」も必聴モノですが、他にも「ROCKIN'
BABY」「DISCO BABY」「BREAK UP TO MAKE UP(涙の試練)」「SHAME AND SCANDAL
IN THE FAMILY」「YOU MAKE THE WORLD GO ROUND(誓い)」etc……、踊れるし聴いてもいいし、って曲がいっぱい収録されています。
枯葉舞う街路樹を独り、コートの襟を押さえながら歩きたくなるような(謎爆)、哀愁系メロディー満載です。もちろんダンサンブルなソウルナンバーも収められています。とりあえず一辺倒にソウルミュージックの一部をかじってみたいときや、秋の哀愁を一層深く感じたい人にオススメの一枚です。
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