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「超絶技巧プレイヤー」「スパニッシュギターの極み」「プログレ系フュージョンの雄」「アコースティックギターの究極形」「速弾きオルタネイト(上下)ピッキングの手本」etc……。彼を形容する言葉は人それぞれだが、僕が初めて彼の曲を聴いたのはフュージョンに興味を持ち始めた高校1年のとき。「速弾き系ギタリスト」をキーワードにリターン・トゥ・フォーエバー(チック・コリア)系、GRP系の作品に参加するミュージシャンを伝ってたどり着いたと記憶します。実は彼の作品で初めて聴いたものは今回ご紹介する「ELEGANT
GYPSY」ではなく「LAND OF THE MIDNIGHT SUN(白夜の大地)」という彼のソロデビューアルバムで、他にも「スーパーギタートリオ・ライブ」「エレクトリック・ランデブー
」「シナリオ」「スプレンディッド・ホテル」等を所有します。
いつものように学校の帰り道、途中下車してレコード屋に立ち寄ってみる。今日は何を聴こうっかなぁ〜♪割とおざなりな態度で、そういや(親友Kが)「アルディメオラがどうのこうの」とか言ってたな。何の気なしに「白夜の大地」をとりあえず選んで家に帰りました。ジャンルとジャケットと制作年から、またいつもみたいに古臭いメロディーが流れ出すんだろうとCDプレーヤーにかけて流れ作業で私用をこなそうとしていました。ところが、この「白夜の大地」の1曲目「THE
WIZARD」のイントロが流れた瞬間、僕は持っていたものを落としかけた(本当の話です)。第一印象は良いとか悪いとか、かっこいいとか感動したとかではなく、心から「驚いた」という感じです。瞬間的に私用はそっちのけで、すかさずヘッドフォンをつけボリュームを上げる。それまでにテクニシャン系やトリッキー系プレーが売りのプログレ/ジャズ/フュージョン系ミュージシャンの作品も何枚か聴いていたので、通常それほど新鮮には感じないと予想していたところに、いきなりこのサウンドです。マジで腰を抜かしそうに(笑)。「一体なんなんだ……」呆然とまさに「WIZARD(魔術師)」のような彼のプレーに聴き入ってしまった。
「生まれて初めてだ、こんな音楽を聴くのは!」奇怪なスケーリングと構成、世界観。それまでには聴いたことのない全く斬新な緩急の変化の激しいピッキング、ミュートしながらの速弾きフレーズ、楽曲としてのグルーブ感――。そしてこれほどまでに難しそうなフレーズを独特の超ぶ厚い歪み系ギターサウンドで正確無比に弾きこなす、ジャケットに写る彼の顔をまじまじと見つめていたものだった。おそらく彼を初めて聴くのが大学に入ってから、いや社会人になってからだったとしても僕は今まで聴いてきた音楽を思い返すと同様に驚いただろう。それほど新しい音楽だった。後年、Mt.富士ジャズフェスティバルで渡辺香津美とのデュオで演奏した「SPAIN」を自宅のテレビで見るが、これがアルディメオラなのか……。と口を開けたまま見ていたものだった。もちろんこの「驚き」をもたらしたものは彼だけのものではなかった。参加するミュージシャンの顔ぶれはまさに"オールスター"の名に相応しい――。(他のアルバムも合わせて考えると、)チック・コリア(Key)、ヤン・ハマー(Key)、バリー・マイルス(Key)、パコ・デ・ルシア(G)、ジョン・マクラフリン(G)、ジャコ・パストリアス(B)、スタンリー・クラーク(B)、アンソニー・ジャクソン(B)、スティーブ・ガッド(Dr)、レニー・ホワイト(Dr)etc……。豪華も豪華、まさに夢の競演であります!!
なぜこのアルバムをレビューに選んだかについては、なんとなく彼の作品の中ではスタンダードのアルバムような気がしたからというだけで、何を取り上げるか正直悩みました。1曲目の頭から今にも嵐の来そうな気配のイントロ部が流れ出します。予想通り嵐が来ます。そしてそのまま2曲目の「MIDNIGHT
TANGO」の名の通り、メランコリックなスパニッシュ・タンゴ系のゆったりとしたイントロが流れ出します。そしてなんと言ってもこのアルバムをセレクトした最大の理由、それが3曲目に収められた「MEDITERRANEAN
SUNDANCE(地中海の舞踏)」であります。彼がかのパコ・デ・ルシアと出会い、最初に作品化された曲ではなかったろうか?これが本場スペインのフラメンコを取り入れた新しいフュージョンの形……。他の曲も全部良いのですが、スペースの都合でまた次回ということに。とにかく必聴に値するアルバムであることには変わりありません。
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