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■音楽レビュー No.019

「ELECTRIC YOUTH」/DEBBIE GIBSON


 毎年、秋の涼しい陽気が何とも心を淋しくさせるこの季節になると、僕はこのアルバムを思い出さずにはいられない。全編が珠玉のバラードを中心に編まれた、1970年8月31日生まれの、80年代を代表するアイドル歌手?デビー・ギブソンこと、Deborah Gibsonのセカンドアルバムとなる、名盤「ELECTRIC YOUTH」は、今でもすぐに取り出せるように、ラックの前面に掲げてあります。おそらく誰に聞いても、歴代ポップスBEST100の中に、このアルバムを入れる人が多いのではないかと予想しています。

 中学・高校時代に周囲で聴いていた者は確かに多かった。しかし、僕が洋楽に興味を示し、バンドで演奏してもいいかな……と思い始めたのは、実に大学に入ってからのことでした。
 僕が大学1年のときに親友Kとともに組んでいたギャルバンドでコピーしたのは、このアルバムの中の、「LOST IN YOUR EYES」と「LOVE IN DISGUISE」だけでしたが、前者は、80年代ポップス(バラード)の中でも名曲中の名曲です!(ドリカムっぽい?)

 このアルバムを出した頃の、まだ19歳だった彼女の初々しい歌声が、切ないメロディー(あの80年代特有の、喫茶店にあるきらびやかなネオン管がまぶたの奥にちらつく感覚←この辺ちょっと謎ですかね?)が、聴く者を虜にして止みません。
 ニューヨーク生まれでニューヨーク育ち、ドーナツやポテトやコークや「メッツ(球団)」を幼少時代から愛し、今回のテロ事件でもおそらく哀しみの極地にいると思われる典型的なニューヨーカーで、97年には自身のレーベル「Espiritu Records」を立上げ、1stアルバムを発表した時期には、ストックが既に300曲以上あったという、ヒッキーも驚きの彼女はメロディー・メーカーとしても、彼女の尊敬するアメリカン・ポップスの父、ビリー・ジョエルに一歩近づいたのではないかと思われます。

 さっきから「バラード」ばかりを強調していますが、アップテンポの曲が収録されていないわけではありません。爽やかに歌いあげる「HELPLESSLY IN LOVE」や「WE COULD BE TOGETHER」、サックスフレーズが心地良い「SHOULD'VE BEEN THE ONE」や、アップテンポな表題曲「ELECTRIC YOUTH」(当時発売された香水の名前にもなった)、日本人が好みそうなマイナーコード進行の歌謡曲ちっくな「OVER THE WALL」などは、ホントにノリやメロディーが良くて、思わず通勤途中に口笛吹きたくなっちゃうほどです。初めて聴いたときは、ベスト盤なのかと勘違いしたほどでした。

 (また、そんなニューヨークを愛する彼女が、今回の報復についてどう思っているのか想像出来ます。これにより新たな犠牲者が出ることになれば、軍事力の前で、いかに歌というものが非力なものなのか、ということを切に思わざるを得ない彼女の心境を傷んでなりません。)

 誰かこういう曲が流れるダンスホールとか知りませんかね〜。昔六本木にまだ「ロリポップ」があった頃は、出演バンドによっては80年代を抑えていたこともあったので、リクエストすれば演ってくれてたのではないかと思いますが、今ではケントス各店( http://gnavi.joy.ne.jp/GN/JP/P262000s.htm )とかだけでしょうか?こう不景気が続くと、あのバブリーできらびやかなネオン管はもう見れないのでしょうか?

 皆様もどうか、懐かしい学校生活を思い出しながら、この名作アルバムに耳を傾けてみてください。秋の深まりをしっかりと身に感じながら……。


【関連サイト】

・DEBBIE GIBSON collection デビー・ギブソンのファンサイト。
・デビー・ギブソン デビー・ギブソン「ELECTRIC YOUTH」の個人のレビュー。
・『アトランティック・レコード物語』 早川書房から刊行されている本の紹介。
・デビー・ギブソン コロンビアのページより。テロ事件により来日延期となったことについて、ファンへのお詫び。

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